5Gは成功しつつあり、70カ国以上で7億人以上の加入者がより高速なデータ通信を楽しんでいます。モバイルネットワーク事業者(MNO)がまだ享受していないのは5Gの投資収益率で、今はまだ説得力のある有用な企業ユースケースの登場を待っている段階です。ネットワーク性能も要因の一つで、既存の 4G LTE コアを使用した初期のノンスタンダロン(NSA)展開が「本当の 5G」ではないとの意見もあります。そのため、持続的な成長曲線を描くために企業向けのネットワークスライシングのビジネスケースに今、多くの注目が集まっています。
GSMA はネットワークスライシングと他のイネーブラや機能を組み合わせることで、事業者は 2025 年までに 3,000 億ドル相当の収益機会を得ると推定しています。多くの携帯通信事業者がまだ導入していない重要なイネーブラと要件の1つは、クラウドネイティブの5Gスタンドアロン(SA)コアネットワークです。5G SAネットワークの展開を加速するために、SpirentはIBMのネットワーク自動化およびセキュリティ技術と連携し、MNOが5G展開で取り組む必要のあるDay 0、Day 1、Day 2のユースケースにわたってネットワークテストと検証を提供しています。
幸いなことに、携帯通信キャリアが期待を寄せているユースケースは 1 つだけではありません。有望なユースケースの 1 つは高価値でミッションクリティカルなアプリケーション向けのセキュアなネットワークスライシングです。例えばスマート工場、スマートエネルギー生産、ヘルスケア、電力網などが挙げられます。
病院のMRI装置は1台何百万ドルもするもので、医療に欠かせないものです。内部ネットワークではなく5Gスライスに接続すれば5Gの高いセキュリティレベルを活用でき、ITの管理要件を合理化しながらセキュリティ脅威を最小化することができます。
電力網では専用の安全な5Gスライスに置かれたセンサーやカメラ(例えばドローン)を自動的に監視し、送電線の停止をトリガにして山火事を早期に発見することができます。
可能性は尽きませんが、消費者市場が証明しているように新しいサービスが必ずしもすぐに新たな収益につながるとは限りません。
企業は5Gに全面的に賛同しているわけではありません。ネットワークを自分たちで制御できない点を躊躇い、セキュリティも心配しており、性能が誇大広告通りかまだ懐疑的なのです。
今月ラスベガスで開催されるMobile World Congressで当社と当社のパートナーはこれらの課題に正面から取り組んでいます。
説得力のあるスライシングのユースケースを立ち上げる
Spirent は IBM と連携し、モバイル・ネットワーク事業者が 5G ネットワーク・スライシングにおける独自の企業運用およびセキュリティ要件に対応できるよう支援しています。
オーケストレーションとインテリジェントな自動化を特徴とする Spirent/IBM の統合ソリューションは、パフォーマンスとセキュリティのテストを統合した何千ものネットワーク・スライスのプロビジョニングを自動化することにより、俊敏性とセキュリティを実現します。これにより、5Gネットワーク・スライスが今日のミッションクリティカルな業界に求められるパフォーマンスとセキュリティを提供できることを確信するとともに、高い運用効率を実現します。
このソリューションは5GコアやOpen RANなど、ますます複雑化し仮想化されたマルチベンダー環境に対して包括的かつ継続的なテストと検証を実現します。そのシームレスな構築と安全な5Gネットワークスライスの継続的な検証・保証により、ネットワーク事業者の新たな収益の柱を育成します。
企業のユースケースをサポートするためのSpirent/IBM 共同ソリューション:
5Gパブリックネットワーク(スライス+MEC)は、よりコストのかかる孤立したカスタムネットワークと比較して現実的な選択肢であり、安全性、信頼性、性能も同等にすることができます。
オーケストレーションと自動化により、導入の複雑さと継続的な運用のオーバーヘッドを簡素化し、運用コストを削減しながら俊敏性と柔軟性を提供することができます。
SLA は容易に測定可能で透明性があり、所有権と責任の明確な区分けを提供します。
セキュリティ、障害、パフォーマンス管理は高度にプロアクティブであり、コストのかかるダウンタイムを回避することができます。
IBMとの協業目的は携帯電話会社とその企業のお客様に対して、競争上の優位性をもたらす迅速な市場投入と運用の俊敏性、およびコスト削減のための運用効率化を支援することです。
ユースケース:セキュアなネットワークスライシングサービスの検証自動化
企業が 5G を受け入れるための重要な要因は、セキュリティテストの自動化です。企業の 5G スライスは特注品であるだけでなく、複数のベンダーによる継続的なアップデートが含まれ、これらすべてが多数のセキュリティリスクへの扉を開くことになります。つまり、テストと検証はネットワークと継続的な運用に設計され、積極的に関与する必要があります。
例えば新しいネットワークスライスが各ユースケース独自のセキュリティポリシーで期待通りに機能するか、リアルタイムで行われるサービス変更で混乱が生じないかなどを確認する必要があります。このためサービス提供のすべての段階で継続的かつ積極的なテストを行い、展開前および運用中のネットワークで自動的に問題を特定し解決する必要があります。
このデモビデオで説明されているように、IBMとSpirentを組み合わせたユースケースにより5Gネットワークスライスが検証、セキュリティオーケストレーション、脅威の検出および対処機能を備えていることを実証しています。
このユースケースでは、ネットワークスライスはスライス固有のセキュリティパラメータに基づく正しい検出と修正の検証を含む、統合されたセキュリティコントロールとともに配備されます。これは各スライスのセキュリティ要件が異なる可能性があるため重要なポイントです。例えば脅威が検知された場合、銀行のATMに危険が及ぶ可能性があるスライスではすべての通信を遮断すべきですが、山火事監視カメラを設置したスライスではカメラが稼働している間は警告を送信する必要があります。
スライスをアクティブにする前にIBMマスターオーケストレーターはSpirentのテストを開始し、スライスの新しくプロビジョニングされた5Gネットワーク機能と適用されたセキュリティポリシーを検証します。SpirentはIBM QRadarセキュリティ情報およびイベント管理(SIEM)、セキュリティ・オーケストレーション自動化および応答(SOAR)、IBM Cloud Pak for Network Automation(CP4NA)スライス・オーケストレーションを通じて、攻撃のエミュレーションと修正を含む検出の検証を実施します。このプロセスにより携帯電話会社のサービス起動の一環として、もしくはスライスのコンポーネントが更新された際に自動化された5Gスライス機能およびセキュリティテストと評価を継続的に実行することが可能になります。
Mobile World Congressラスベガスで詳細を学ぶ
ラスベガスで開催されるMobile World Congressの2つのSpirentセッションに参加いただければ、事業者が新サービスから5Gの収益を増加させるためにどのようにギャップを埋めることができるかについて、より詳しく学ぶことができます。
私は9月29日15:00PDTのセッション「5G Network, Fancy a slice?」で5Gネットワークスライスのセキュリティを自動化することのメリットについてご説明します。
また、9月30日11:30PDTにはSpirentの5G戦略責任者であるStephen Douglasが「What's Hot In The Connected World」と題して講演を行います。
当社は楽天モバイル、DISH、Telefonicaなどのお客様が5Gへの期待、市場投入期間の短縮、資本コストや運用コストの削減、新たな収益源の確保を実現するための支援を行えることを誇りに思っています。その他の顧客事例や5Gの収益競争については、電子ブックでご覧ください。